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インクについての研究 (page2)



■8■ プリンタ用インク 危険性についての調査



1 プリンタ用インクの危険性 はじめに
2 プリンタ用インクに使用されている薬品の役割一覧
3-1 プリンタ用インクの成分 水について
3-2 プリンタ用インクの成分 着色剤について
3-3 プリンタ用インクの成分 浸透剤 (水溶性有機溶剤)について
3-4 プリンタ用インクの成分 乾燥防止剤について
3-5 プリンタ用インクの成分 pH調整剤について
3-6 プリンタ用インクの成分 防腐剤・防かび剤について
3-7 プリンタ用インクの成分 消泡剤について
3-8 プリンタ用インクの成分 分散剤について
3-9 プリンタ用インクの成分 脱酸素剤について
4-1 プリンタ用インクの危険性について
4-2 プリンタ用インク インクメーカーの安全データシート
4-3 プリンタ用インク 誤飲・目に入った時などの対処
5 プリンタ用インクの危険性 まとめ




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■1 プリンタ用インクの危険性 はじめに

純正インクを使う上で安全性について考察しました。品質だけの差ではなく、使われている物質によるリスクも考える必要があると考えたからです。


インクの性質や危険性を把握するうえでは、インクの成分が何なのがを知る必要があります。調べていくと、説明しきれないほどの種類の薬品が使われている事が分かりました。


また、インク製造には企業秘密が多く含まれており、正確な薬品名を知ることができないものが多くありました。そこで、成分を記述するまえに、成分の役割をあげてゆくことにします。薬品を説明するうえで欠かせないと感じたからです。


■2-1 プリンタ用インク  使用されている薬品の役割一覧

以下が標準的に利用されている薬品の役割です。

・水 (ベース)
・着色剤
・浸透剤 (水溶性有機溶剤)
・乾燥防止剤
・pH調整剤
・防腐剤/防かび剤



着色剤、乾燥防止剤、防腐剤はあるだろうなという感じですが、浸透剤とは何でしょう。


調べたものをまとめると「表面張力を低下させ、紙になじませ、インクの定着をよくする為のもの」のようです。もしこれが無ければ、印刷したときに紙にはじかれ、印字されない箇所が出てきやすくなってしまいます。


こういった薬品は強アルカリ性などの薬品も含まれるため、最終的に中性に近づける目的でpH調整剤が使われているようです。当たり前の事ですが、調べなければ分からない成分のひとつではないでしょうか。他にも以下の役割を果たす薬品が使われる場合があります。


使用される事があるその他の成分役割

・泡立ちを防止するための消泡剤
・顔料インクでは顔料を分散するための分散剤
・インク中の溶存酸素を除く脱酸素剤



なるほど、泡立ち防止と顔料インクの沈殿を防ぐ分散剤は分かります。脱酸素剤とは、なぜ使われているのでしょう。インクにとって酸素はどのような影響があるのか知りたいところなので調べてみることにしました。


しかしながら、詳しく役割について説明した記述を見つける事ができませんでした。しかし、酸素は基本的に酸化が錆びる事であるように、物を変質させてしまうという性質があります。インク以外の物質では脱酸素剤が使われているものは、変質を防止する為に使用されてることは分かりました。


以上のことから推測すると、インクについても変色などを防止する役割であると考えられます。


調べる事で思わぬ収穫もありました。近年ではこの脱酸素剤を使わなくても、製造工程でインク中の酸素を排除する技術が開発されているようです。酸素を製造段階で排除し、脱酸素剤を使わないものが出回っているようです。


■3-1 プリンタ用インクの成分  水について

成分のひとつ「水」。「H2O」。当たり前の成分のようですが、油性インク等、水を加えない製造方法も考えられます。インク製造工程において、水という原料が使われている事で水性インクである事が分かります。またプリンタ用インクの成分の60〜80%はこの水であり、高いインク代から考えると、ちょっと意外な事実ではないでしょうか。


■3-2 プリンタ用インクの成分  着色剤について

次に着色剤についてです。大きく分けて染料系と顔料系があります。


さて、その成分の染料・顔料はいったいどのような成分なのでしょうか。調べていると、「染料とは、多くは動物・植物などから得た水溶性の着色剤であり、顔料とは、鉱物などを砕いた粉末で、非水溶性の着色剤である」という記述が見つかりました。


しかしながら、プリンタインクにおいては違うようです。たとえばシアンは「銅化合物」などが使われています。
プリンタ用インクは動植物などから得た染料ではなく、鉱物や化学薬品から作られた合成染料が使用されています。ほとんどのプリンタ用インクは染料インクで水溶性です。


ところで、ブラックには染料系と顔料系の2種類が使われているプリンタをよく目にします。
顔料系インクは耐光性・耐水性に優れており、文字印刷においての保存性を高める事ができます。
しかしながら、顔料系は染料系に比べて発色は劣り、写真印刷などの色が重視される印刷には適しません。このような理由から、ブラックのみ顔料系インクがあるというわけです。


さて、使用されている薬品ですが、企業秘密となる核であり、その成分を詳細に調べる事はできませんでした。


■3-3 プリンタ用インクの成分 浸透剤 (水溶性有機溶剤)について

浸透剤は「表面張力を低下させ、紙になじませ、インクの定着をよくする為のもの」です。実際に使用されている薬品を調べてみると以下のものが一般的なようです。


苛性カリ (水酸化カリウム) 
インクのpHを高め、メディアの表面を溶かす性質がある。安全性・カラー化に問題があるため、現在ではあまり使用されていない。苛性カリは強いアルカリ性で毒物及び劇物取締法において劇物に指定されている。


エタノール (エチルアルコール)
表面張力を低下させ、揮発性が強く、蒸発によってにじみを抑制する効果がある。アルコール類のひとつであり、インク用途であれば一般的には工業用アルコールであると考えられる。有害物質ではないが、消防法では危険物第4類に指定されている。


■3-4 プリンタ用インクの成分 乾燥防止剤について

インクがすぐに乾燥してしまうと、プリンタノズルが目詰まりを起こしやすくなってしまいます。その防止の為に利用されているのが乾燥防止剤です。一般的に以下のような薬品が使われています。


ジエチレングリコール (ジエチルグリコール)
粘性のある無色の液体。インクの他、不凍液、タバコの添加物、化粧品、接着剤、包装材料、塗料などに使われている。飲用・食用として摂取しないかぎり、毒性は認められないとされている。経口摂取した場合は中枢神経、腎への毒性があり、腎不全による死亡例がある。2007年5月に中国製風邪シロップとして配布された薬が、グリセリンを使用しなければならないところを、ジエチレングリコールを使用していたため、100人以上の死亡者が出た。そのほかにも食品への混入による死亡例が複数ある。


ポリエチレングリコール
無毒とされ色々な製品に用いられている。マクロゴールなどの名称で便秘薬の基剤として用いられている。皮膚用クリームなどにも用いられるが、稀に急性アレルギー症状を発症する事がある。


グリセリン (グリセロール)
無色透明の液体。水に溶けやすく、吸湿性が強い。保湿性が強いため、化粧品、水彩絵の具によく使われている。医療分野でも利尿薬、浣腸液、目薬など多く利用されている。血中に入ると腎不全を起こすおそれがある。


N−メチル−2−ピロリドン
無色またはわずかに黄色がかった液体。高い溶解性を持つ。吸入・経口による危険性は低いものとされる。


■3-5 プリンタ用インクの成分 pH調整剤について

インクのpHを適切な値に調整するために用いられる薬品です。インクの品質を安定させ、変質を防ぐために必要なものです。中性に調節しているのかと思っておりましたが、弱アルカリ性に調整されているようです。


トリエタノールアミン
弱アルカリ性の有機化合物。スキンローション、シャンプー、シェービングクリームなどの製品・化粧品にpH調整剤として多く利用されている。


水酸化ナトリウム (苛性ソーダ)
強アルカリ性で無機化合物。無色無臭の固体。毒物及び劇物取締法により濃度が5%を超えるものは劇物に指定されている。インクに使用されているものは5%以下に希釈されたものであるので毒性は低くなる。


■3-6 プリンタ用インクの成分 防腐剤・防かび剤について

インクには有機物質が薬品として使用されており、腐食・変質を防がなければなりません。pHの調整自体が防腐効果をもたらす効果もあるようです。


安息香酸ナトリウム
細菌の繁殖を抑える効果があり、食品の保存料・防腐剤として用いられている。


ソルビン酸カリウム
有機化合物で食品の保存料・防腐剤として用いられている。


チアベンダゾール
殺菌効果があり、食品添加物・木材防腐剤として用いられている。農薬としても登録されており、防腐処理剤として使用されている。医薬品として過去に内服用駆虫薬として使用されていたが、より安全性の高い薬品の開発で、現在は製造・販売が中止されている。


ベンズイミダゾール
有機化合物で殺菌効果がある。ベンゾイミダゾール化合物は寄生虫駆除剤・殺菌剤として生産されている。


サイアベンダゾール
乳牛用の消化管内線虫駆虫薬として利用されている。


■3-7 プリンタ用インクの成分 消泡剤について

表面張力を低下させる目的で利用されています。表面張力が強いと泡ができ、細いノズル内でインクが滞留してしまう可能性があります。


使用されている薬品は工業用に調合されたものが多いようです。調合割合・薬品の種類等は企業秘密に属するものと思われ、やはり詳細なデータを得る事ができませんでした。


■3-8 プリンタ用インクの成分 分散剤について

顔料は水に溶けない為、そのままでは沈殿しやすく、それを防ぐために利用されている薬品が分散剤です。こちらも消泡剤同様、使用されている薬品は工業用に調合されたものが多いようです。


■3-9 プリンタ用インクの成分 脱酸素剤について

インクの変質を防ぐために酸素を取り除く薬剤です。
製造段階でインクから酸素を取り除く技術の確立によって、現在では薬剤は使用されない場合もあります。


■4-1 プリンタ用インクの危険性について

一般的に使われる薬品を一つ一つ調べてみた結果、幾つかのメーカー製インクであれば、わずかであれば誤飲・目に入った場合でも、それほど重大な影響が出る可能性は低いと言える事が分かりました。しかしながら、体に悪影響を与える薬品が使われていないという事ではありません。もちろん誤飲した量が多ければ重篤な症状が出る可能性のある薬品が使われています。


メーカーでは「安全データシート(MSDS)」と言われるインクごとの安全性を公表した書類が存在します。それはメーカーのホームページに行けば誰でも閲覧できるようになっています。
それは使われている薬品などが詳細に記載されており、安全に対する配慮がなされているものです。


しかしながら、互換インクでは、こうした安全に対する配慮がなされていない製品が数多く存在します。むしろ同じ役割を果たす薬品であれば、安全性よりも価格を抑える事のできる安価な薬品が使われている事が考えられます。インク価格は単純にインクの品質だけの差ではなく、安全性の差もこの金額に含まれている事を消費者は知っておかなければならないのではないでしょうか。


■4-2 プリンタ用インク インクメーカーの安全データシート

インクメーカーの情報に「安全データシート(MSDS)」というものがあります。
インクに使用されている薬品名・危険性・対処法などが記載されているデータです。


キャノン 安全データシート
http://cweb.canon.jp/ecology/products/msds/ij/index.html


エプソン 安全データシート
http://www.epson.jp/products/msds/ink.htm


ブラザー 安全データシート (※インクジェットプリンタ用インクの安全データシートはありません)
http://sds.brother.co.jp/sdsapp/search?lang=ja


HP 安全データシート
http://h50146.www5.hp.com/info/company/environment/productdata/


互換インクメーカー「エコリカ」は安全データシートは公開していませんが、基準をクリアしていなければ取得できないエコマークを取得しています。互換インクメーカーでもこういった基準クリアを公表しているものは安全性が高いと言えます。


最も危険なのは、メーカー名さえ記載されていない互換インクや、メーカーページに安全データシートの記述の無いものです。


■4-3 プリンタ用インク 誤飲・目に入った時などの対処

誤飲した時や目に入ってしまった時の対処は、インクの成分によって違ってきます。インクメーカーによっては、安全データシートにその対処法が記載されていいます。


一般的に、誤飲した場合は「口をすすぎ、コップ1、2杯の水を飲ませる」という対処が多く、目に入った場合は「直ちに温かくゆるやかな流水で5分間、または取り除かれるまで洗浄する」という対処方法が多いようです。


ただし、この対処はインクによって違ってくる可能性があります。多くのメーカーは安全性の高い薬品を使用していますが、互換インクでは安全性が考慮されていない物である可能性もあります。


良い対処法としては上記の一般的な対処をした後、病院に行き、診てもらう事です。多く誤飲した可能性がある場合は、ジエチレングリコール (ジエチルグリコール)を含んでいる可能性のあるインクを誤飲した事を伝えると良いかもしれません。現時点で分かっているインクに含まれる最も危険な薬品の一つでもあります。


安全データシートにも記載があるように、インクの成分が分かれば病院で早い対応ができ、症状を回避できる事につながります。


■5 プリンタ用インクの危険性 まとめ

当初はインクに使われている薬品を全て調べるつもりでしたが、企業秘密である部分が多いのと化合物が多いのとで、正確な安全性を調査できない結果になりました。しかしながら、ほとんどのメーカーはインクの安全性について検証を行い、「安全データシート(MSDS)」といわれる物を作成している事も分かりました。安全データシートの存在は、製造においてより人体に危険性の少ない薬品と製法を行い、不測の事態においても対処方法をすぐに調べることができる事を意味します。消費者にとっては、安全について製造業者が努力している姿勢を知る手段となります。


互換インクでは、純正品と同じように安全性について検証しているメーカーと、メーカー名すら記載のないインクがあります。安全性をより重視するのであれば、純正・互換を問わずこの安全データシートの有無を確認して選ぶ必要があるということです。


一通り調べて気になった危険性のある薬品として苛性カリ (水酸化カリウム)ジエチレングリコール (ジエチルグリコール)があげられます。
インク成分に上記の薬品が使われている場合は、特に保管などに気をつけるべきであると言えるでしょう。











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